幕末から明治時代の写真で、手を隠して写っている人物が多く見られるが、 それは何故か。(2015年)

2015/12/15

 『写された幕末 石黒敬七コレクション』【資料1】に、「手が大きくなると迷信され、揃って手を袖のなかに隠す武士と遊所の女達。」とあります。『歴史読本 2014年5月号 古写真集成 幕末・明治の100人』【資料 2】にも、写真に写ると手が大きくなる、また、手によくないことが起こるという俗信があったという説が載っています。『日本国語大辞典』【資料3】によりますと、女性の白く細い指をたとえて言う「白魚」という言葉は、江戸時代から使われているようなので、そのような美意識も関係しているのかもしれません。(備考※1参照)

 

〈参考図書〉
【資料1】『写された幕末 石黒敬七コレクション』石黒 敬七 著 明石書店 1990年 2105/5/90 p21
【資料2】『歴史読本 第59巻第5号,899(2014.5)古写真集成 幕末・明治の100人』(「古写真を楽しむための10の疑問 Q&A」倉持基) p37 KADOKAWA
【資料3】『日本国語大辞典 7』小学館 2001年 8131/45/7

 

(備考)

※1「永井荷風家族写真」(小川一真写真館 明治時代)(江戸東京博物館:収蔵品検索) https://www.edohakuarchives.jp/detail-13352.html

 

(レファレンス協同データベース版)http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000185518window open