てんぷらの語源は? 江戸時代の何という本にそれが書かれているか。(2009年)

2015/06/08

 山東京山著「蜘蛛の糸巻」(弘化3年=1846年刊)と宮川政運著「俗事百工起源」(慶応元年=1865年刊)の中に山東京伝が名付けたというエピソードが書かれています。「蜘蛛の糸巻」は『日本随筆大成』第2期 第7巻(吉川弘文館)に、「俗事百工起源」は『未刊随筆百種』第2巻(中央公論社)に活字化され、所収されています。
 しかしてんぷらの語源は、宣教師が来日した16世紀、スペイン語のテンプロ=寺(宣教師の教会。ここから伝わった料理ということ)から、ポルトガル語のテンペロ=料理から等、ほかにも諸説あり、『日本国語大辞典』(小学館)には“油を天麩羅と書き、音読したものという”ともあります。語源(説)の最も多い食べもののひとつと言えると思います。

(参考資料)
『日本随筆大成』第2期 第7巻 吉川弘文館 1974年 0815/10/30-S00 (蜘蛛の糸説)
『未刊随筆百種』第2巻 中央公論社 1976年 9145/5/0002-S00 (俗事百工起源説)
『日本国語大辞典』小学館 1985年
『錦絵が語る江戸の食』松下幸子著 遊子館 2001年 3838/215/0009 (p.108-109 京伝説、虚南留別志(うそなるべし)説、南蛮語説)
『食辞林 日本の食べ物・語源考』興津要著 双葉社 1997年 3838/132/97 (p.206 南蛮語説、京伝より年長の蜀山人が書き残していることから京伝説に疑問を唱える)
『江戸の舶来風俗誌 江戸風俗資料 第10巻』小野武雄編著 展望社 1975年 2105/277/75 (p.263-265)
「天ぷらの初出文献」平田萬里遠(『日本随筆大成 第3期18巻』付録 日本随筆大成編輯部編 天野信景著 吉川弘文館 1978年 0815/10/65-S0)

(備考)
歌舞伎座「江戸食文化紀行」  http://www.kabuki-za.com/syoku/2/no18.htmlwindow open  (2014/4/4確認)

 

(レファレンス協同データベース版)http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000056145window open