江戸時代、参勤交代の時、他藩の領地をどのように通過したか。(2017年)

2018/03/29

(回答)

『参勤交代(講談社現代新書)』【資料1】に、他藩領内の通行儀礼について詳しく記載されています。
 通行する藩の行列は、「原則として前もって使者を派遣し領内通行を謝す。使者は、御供の歩行頭(かちがしら)か御膳番から選ばれた。」とあり、秋田藩士後藤理左衛門の「御徒頭(おかちがしら)勤中日記」に記録されている使者の口上が書かれています。また、通行される藩のもてなし(御馳走)の様子、領内通行の時に起きたトラブルなども書かれています。
 『実録参勤交代』【資料2】にもいくつかの藩の事例が記載されています。
 『参勤交代(日本歴史叢書)』【資料3】には「他藩領や天領の街道宿駅・渡しなどを利用する以上、その沿道筋の大名等との良好な政治関係を維持せねば八方ふさがりとなる。」とあり、大名同士の政治折衝や、通路規制についても述べられています。

(参考資料)

【資料1】『参勤交代(講談社現代新書1394)』p93~ 山本博文 著, 講談社, 1998年, 請求記号:2105 / 992 / 98
【資料2】『実録参勤交代(別冊宝島2395)』p46 八幡和郎 監修, 宝島社, 2015年, 請求記号:2105 / 1723 / 15
【資料3】『参勤交代(日本歴史叢書)』p153~ 丸山雍成 著, 吉川公文館, 2007年, 請求記号:2105 / 1321 / 7
【資料4】『歩く・観る・学ぶ 参勤交代と大名行列(別冊歴史REAL)』p131 永井博 編著, 洋泉社, 2012年, 請求記号:2105 / 1572 / 12