古文書の形態(紙質・折り方など)や様式を調べる本はあるか。(2016年)

2017/03/29

文献史料のうち特定の差出者・受取者があるものを文書と言い、日記や文学作品等とは区別する。

以下の参考資料では、古文書を公式様(くしきよう)・公家様(くげよう)・武家様(ぶけよう)と時代と形式で大きく3つに分け、伝来のころから中世または近世まで、それぞれの形態や様式について書かれている。

 


(回答プロセス)

参考資料【資料1】『古文書入門ハンドブック』は、紙面の形態や部分呼称、種類、扱い方まで古文書全般について例を挙げながらわかりやすく解説されている。
【資料2】『古文書学入門』は、公式様・公家様・武家様のほかに上申文書・証文・帳簿類を加えた6つの様式に分け、それぞれについて詳しく解説されている。
【資料3】『歴史読本 第37巻第8号,通巻568号 事典シリーズ 14 日本歴史「古文書」総覧』は、各項目の解説が短くまとめられているほか、家わけ文書の所蔵者や刊本の情報が記載されている。
【資料4】『日本古文書学論集2 総論Ⅱ』は、「第2章 封式と書札礼」に専門的に詳しく記されている。
【資料5】『古文書研究 第44・45合併号』に収録されている「日本の古文書と書札礼」彌永貞三/著では、日本で最も古く、後の書札礼にも大きな影響を与えたとして「弘安禮節」について詳しく書かれている。
【資料6】『企画展示 中世の古文書―機能と形―』【資料7】『日本美術 第174号』は、中世の古文書の様式や用紙の折り方・包み方がわかる写真が数多く掲載されている。
また、【資料8】『江戸幕府の日記と儀礼史料』【資料9】『武士とはなにか 企画展示』は、徳川幕府の公式な文書様式とされた「曽我流」について詳しく記されている。【資料9】は、二字札など写真が数多く掲載されている。
紙については【資料10】『必携 古典籍・古文書料紙事典』に詳しい。

 


(参考資料)

【資料1】『古文書入門ハンドブック』飯倉晴武/著 吉川弘文館/発行(1993年)2100/605/93

【資料2】『古文書学入門』佐藤進一/著 法政大学出版局/発行(1992年)2100/392/92

【資料3】『歴史読本 第37巻第8号,通巻568号 事典シリーズ 14 日本歴史「古文書」総覧』新人物往来社/発行(1992年4月特別増刊)

【資料4】『日本古文書学論集2 総論Ⅱ』日本古文書学会/編 吉川弘文館/発行(1987年)2100/249/2

【資料5】『古文書研究 第44・45合併号』日本古文書学会/編 吉川弘文館/発行(1997年3月)

【資料6】『企画展示 中世の古文書―機能と形―』国立歴史民俗博物館/編・発行(2013年)M35/KO-2/187

【資料7】『日本美術 第174号』文化庁/他監修 至文堂/発行(1980年11月)

【資料8】『江戸幕府の日記と儀礼史料』小宮木代良/著 吉川弘文館/発行(2006年)2105/1275/006

【資料9】『武士とはなにか 企画展示』国立歴史民俗博物館/編・発行(2010年)M35/KO-2/173

【資料10】『必携 古典籍・古文書料紙事典』穴倉佐敏/編 八木書店/発行(2011年)0226/1/001-SO

 

(レファレンス協同データベース版) http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000212558window open