風船爆弾の製作工程が知りたい。(2016年)

2016/09/23

(回答)
 (1)和紙を漉く(2)こんにゃく糊で張り合せ原紙をつくる(3)なめし処理をする(4)裁断してパネルにする(5)パネルをこんにゃく糊でつなぎ合わせ球体にする(6)口管と座帯を取り付ける(7)空気を入れて膨らませる(8)ラッカーを塗り補強する(9)たたんで円筒形に整え発送する。以上がおおまかな作業工程です。

(回答プロセス)
 風船爆弾とは気球に爆弾をつけて飛ばす兵器(備考※1参照)。太平洋戦争末期に日本軍が米国本土攻撃および心理作戦のために開発し、1944年(昭和19)11月から翌4月にかけて9300個が打ち上げられた(【資料1】)。気球は直径約10mで、一つの気球製造には4000枚の生紙が必要だったが、ひとり一日平均300枚すくのが限度だった。(【資料2】)。アメリカ大陸に到達した風船爆弾は300弱であり、オレゴン州で6人が犠牲になったことが報告されている。当館(江戸東京博物館)常設展示室に復元模型(気球部分は5分の1、ゴンドラ部分は2分の1)がある(【資料3】)。

(参考資料)

【資料1】『東京大空襲 戦時下の市民生活』東京都江戸東京博物館/編 江戸東京歴史財団 1995年 M3624/TO-3/209-S00 p.110-111
【資料2】『図表でみる江戸・東京の世界』(改訂[7版])東京都江戸東京博物館/編 東京都歴史文化財団,東京都江戸東京博物館 2014年 M3624/TO-3/119-14 p.118
【資料3】『江戸東京歴史探検 6 昭和の暮らしを追ってみる』東京都江戸東京博物館/監修 板谷敏弘/責任編集 中央公論新社 2003年 M3624/TO-3/115-6 p.53-55
【資料4】「風船爆弾製造と学徒勤労動員 風船爆弾関係文書を中心に」松井かおる(『東京都江戸東京博物館研究報告』第16号 東京都江戸東京博物館都市歴史研究室/編 東京都江戸東京博物館 2010年 M3624/TO-3/151-16 p.163-234)
【資料5】『青春のひとこま 風船爆弾 女子動員学徒が調べた記録』南村玲衣/著 南村玲衣 2000年 2107/423/000 p.28-46
【資料6】『中学生たちの風船爆弾』(さきたま双書)中条克俊/著 さきたま出版会 1995年 2107/319/95 p.189-190
【資料7】『風船爆弾』鈴木俊平/著 新潮社 1980年 9136/781/80

(備考)
※1 風船爆弾(一宮町役場) http://www.town.ichinomiya.chiba.jp/kankou/shoukai/2/415.htmlwindow open  (2016/8/5確認)
※2 「風船爆弾に関する資料が読みたい。」(「ぶらりらいぶらりぃ」No.154(昭和館図書室))  http://www.showakan.go.jp/floor/4f/burari/burari159.pdfwindow open  (2016/8/5確認)

(関連事例)
「戦時下の風船爆弾と、和紙の生産について」(石川県立図書館) http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000042808window open