企画展 5F

2019年01月02日(水)〜03月03日(日)

春を寿(ことほ)ぐ ―徳川将軍家のみやび―

春を寿ぐ

 開催趣旨

  春、この季節の慣習として、花見や雛祭りなどを連想する日本人は少なくないでしょう。こうした行事はもともと公家社会の習慣でした。それが江戸時代、とりわけ泰平の世となった中期以降には、武家社会にも浸透していきました。その背景として、徳川将軍家と京都の宮家との婚礼がありました。婚姻関係が結ばれることによって宮廷文化が江戸城の大奥にもたらされ、春を寿ぐ行事がしだいに江戸市中にまで広がっていったのです。では、徳川将軍家にとっての春、そして江戸城大奥における‘みやび’とはどのようなものであったのでしょうか。

 本展覧会では、德川宗家に伝来する東照宮御影(元日拝礼)をはじめ、十三代将軍 徳川家定正室の天璋院篤姫と十四代将軍 徳川家茂正室の皇女和宮が所持した雛道具、江戸中後期の精緻な銀細工や豆人形などを展示いたします。これらの作品を通して、徳川将軍家の年中行事や季節感、美意識などを味わっていただきたいと思います。

 

開催概要

会期

2019年1月2日(水)~3月3日(日)

会場

東京都江戸東京博物館 常設展示室内 5F企画展示室
電話番号:03-3626-9974(代表)

 

・JR 総武線 両国駅西口、徒歩3分
・都営地下鉄大江戸線 両国(江戸東京博物館前)駅A4出口、徒歩1分
・都バス:錦 27 ・両 28 ・門 33 系統、墨田区内循環バス「すみだ百景すみまるくん・すみりんちゃん(南部ルート)」「都営両国駅前(江戸東京博物館前)」下車、徒歩3分

開館時間

9:30~17:30 
土曜日は19:30まで

※入館は閉館の30分前まで

休館日  1月7日(月)・28日(月)、2月4日(月)・12日(火)・18日(月)・25日(月)
主催 東京都、東京都江戸東京博物館、公益財団法人德川記念財団
観覧料金 企画展は常設展観覧料でご覧になれます。

観覧料
一般 600円(480円)
大学生・専門学校生 480円(380円)
中学生(都外)・高校生・65歳以上 300円(240円)
中学生(都内)・小学生以下 無料

 

*(  )内は20名以上の団体料金。

 

*中・高・大学・専門学校生の方は学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するものをご提示ください。

 

*次の場合は常設展観覧料が無料です。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。

 

*シルバーデー(1月16日、2月20日)は、65歳以上の方は常設展観覧料が無料です。年齢を証明できるものをご提示ください。

 

*家族ふれあいの日(1月19日・20日、2月16日・17日)は、都内にお住まいの方で、18歳未満のお子様をお連れの保護者の方2名までの料金が半額となります。保護者が都内在住者であることを証明できるものをお持ちください。

 

展示構成

プロローグ


東照宮御影(元日拝礼)(德川記念財団所蔵)

東照宮御影 元日拝礼(德川記念財団所蔵)

第1章 睦月 将軍家の正月

 日本人の一年は正月行事から始まります。それは江戸時代の将軍家でも同様でした。ここでは、徳川将軍家の正月行事を見ていきます。
 徳川将軍家の正月は、東照宮御影への元日拝礼から始まります。そして、将軍と御台所は、親族に挨拶を交わした後、先祖代々の位牌に御膳を備え、座に戻るときに若水を共に恵方に向かっていただきました。この参拝は正月三日まで毎日行われました。
 江戸城表の正月儀礼は、兎の肉を入れた吸い物が将軍の祝膳に出され、その後に、初登城の大名・幕臣たちへ下賜する「兎羹」や、江戸城内の紅葉山東照宮への参拝などがありました。正月の儀礼は十九を数えました。
  大奥では、色紙または短冊に歌をしたためる「御書き初め」や、源氏物語などの物語より御意に召したものを選んで披露する「御読初め」などが催されました。これらの儀礼の中に大奥の‘みやび’を垣間見ることができます。

<主な展示資料>

 

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銀細工 献兎賜盃けんとしはい(德川記念財団所蔵)
伊勢物語歌かるた
伊勢物語歌かるた(德川記念財団所蔵)


第2章 如月 花ひらく春

 美しい花を愛でる習慣は世界中にあります。今日の日本では、春に桜花の下で宴を催します。江戸時代の将軍家にも春の花を愛でる習慣がありました。
 江戸時代の花見は梅からで、梅見の後に桜などを楽しみました。将軍家では、将軍自ら春の花を和歌や絵画などに描きました。御台所は梅や桜などが配された調度品を多数所有していました。これらは、春の花に対する将軍や御台所の美意識といえます。
 江戸幕府は、江戸の庶民にも、花見を通して春を楽しませることを心がけました。なかでも八代将軍徳川吉宗は、庶民のために飛鳥山や墨堤(隅田川)などを整備したのです。吉宗の粋な計らいにより、これらの場所も桜の名所となりました。

<主な展示資料>

 

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小袖(浅葱縮緬地松竹梅桜菊網干文様)(德川記念財団所蔵)

展示期間:1月2日(水)~2月3日(日)

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銀細工 兜に梅の花一枝(德川記念財団所蔵)

掛袱紗

掛袱紗 (紅縮緬地竹に鶏文刺繍)(德川記念財団所蔵)

展示期間:2月5日(火)~3月3日(日)

 

第3章 弥生 典雅な雛道具

 春の風物詩である雛祭りは、「上巳(じょうし)」や「桃の節句」の3月3日に催されました。江戸城大奥では、段飾りのきらびやかな雛人形や雛道具を御座之間や御休息之間などに飾っていました。ここでは、将軍家の‘みやび’をうかがい知ることができる、十三代将軍徳川家定の正室篤姫と、十四代徳川家茂の正室和宮の雛道具を中心に展示します。
 雛祭りは、古くは厄を人形に移して川や海に流す、京都の宮廷社会の「流し雛」でした。やがてこの人形が幼児の遊び道具となり、雛遊びと呼ばれるようになりました。雛人形を段に飾るようになったのは、江戸時代に入ってからです。江戸幕府が3月3日を五節句の一つとして制定した後、雛遊びは雛祭りとなりました。
 江戸中期以降になると、将軍家と宮家の婚礼などにより宮廷文化が江戸城大奥にもたらされました。この影響で、京都とともに江戸においても雛祭りが隆盛になったのです。江戸市中・近郊では、雛市や雛売りの商売が起こり、雛祭りの風習は庶民の間にも広がりました。今日においても、雛人形や菱餅、桃花などを飾り、娘の幸せを願って雛祭りを行う習慣があります。

<主な展示資料>

 

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書棚(左)・厨子棚(中央)・黒棚(右)(黒塗松唐草牡丹紋散蒔絵雛道具)

(德川記念財団所蔵)

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文台(黒塗牡丹唐草葵浮線菊紋散蒔絵雛道具)

(東京都江戸東京博物館所蔵)

 

エピローグ

 平和な江戸中後期、雛祭りで段に飾る細やかな雛道具は、京都の細工技術の広がりもあり、江戸市中・近郊の職人の手でも生産されるようになりました。江戸の手仕事は雛道具のみならず、銀細工や象牙人形なども生み出しています。これら精緻な細工物、いわゆる「ちいさきもの」は、将軍家や大名家で賞玩されました。そして、「ちいさきもの」をつくりだした技術は、後の時代の工芸品にも引き継がれていきました。

関連事業

 ■ミュージアム・トーク(展覧会の見どころ解説)

 担当学芸員が展覧会の見どころを紹介します。

【日時】1月18日・25日、2月8日(いずれも金曜日) 16:00~(30分程度)
【参加料】無料(常設展観覧料は別途必要)
【集合場所】常設展示室5階 日本橋下 にお集まりください。

 

 ■ミュージアム・トーク(英語通訳付)

 学芸員が英語通訳付で展覧会の見どころを紹介します。

【日時】2月2日(土曜日)①10:30~、②16:30~(30分程度)
【参加料】無料(常設展観覧料は別途必要)
【集合場所】常設展示室5階 日本橋下 にお集まりください。

 

出 版 物

図録

 編集:公益財団法人德川記念財団・東京都江戸東京博物館

 発行:公益財団法人德川記念財団