
2012年03月27日(火)〜05月27日(日)
2012年03月27日(火)〜05月27日(日)
増上寺は浄土宗の七大本山の一つで、関東における浄土宗の重要な拠点として栄えてきました。創建は太田道灌が活躍した室町時代に遡り、徳川家康の関東入府以後は徳川家の庇護を受け、将軍家の霊廟も建立されました。 古くは、現在の千代田区平河町から麹町付近に建立され、家康入府以後、江戸の拡張にともない現在の地に移転し、都市江戸を構成する重要な寺院となります。その様子は江戸時代から現代にいたるまで、さまざまな絵画に描かれています。 また、平成23年に大河ドラマ「江」が放映されました。主人公お江とその夫二代将軍徳川秀忠は増上寺に埋葬されており、増上寺はゆかりの寺になります。 本展では、都市江戸のランドマークであった増上寺について寺宝を中心に展観し、その歴史をさぐろうと企画しました。江戸・東京のなかに設けられた大寺院の姿を辿っていただければと思います。
会期 | 平成24年 3月27日(火)~平成24年5月27日(日) | ||||||||||
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会場 | 江戸東京博物館 常設展示室5階 第2企画展示室 (東京都墨田区横網1-4-1) 電話番号:03-3626-9974(代表)
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開館時間 | 午前 9 時 30 分~午後 5 時 30 分 土曜日は午後 7 時 30 分まで (入館は閉館の 30 分前まで ) |
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休館日 | 4月2日・9日・16日・23日、5月21日 | ||||||||||
主催 | 東京都、東京都江戸東京博物館 | ||||||||||
観覧料金 | 常設展観覧料でご覧になれます。 ※平成24年3月28日(水)は開館記念日のため、常設展観覧料が無料となります。
※中・高・大学・専門学校生の方は学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証・運転免許証など)のご提示をお願いいたします。 ※( )内は 20 人以上の団体料金。いずれも消費税込み。 |
■プロローグ
増上寺は浄土宗であることから、阿弥陀如来を本尊とし、極楽浄土を祈願される寺院として、徳川家の庇護をうけた。東海道の江戸の入口として、江戸の名所ともなり、さまざまな絵画にも取り上げられた。都市江戸の重要なランドマークに位置付いていたのだった。
■創建
増上寺の創建は古く室町時代に及ぶ。その境内は貝塚にあったとされ、現在の半蔵門・四谷・赤坂の付近であった。この場所は中世江戸城を通過する鎌倉街道に沿っており、中世江戸の入口にもあたったのだろう。当時の江戸から極楽往生を祈願する西方に立地していたのだった。その当時の品々が今も増上寺には伝えられている。
■芝へ ~江戸の建設~
江戸が将軍の府となったとき、大規模な都市計画が実施されたのだろう。日比谷入江を埋め立て、幹線道路も鎌倉街道から東海道へと変更された。それにともなってであろうか、都市の入口を占めた増上寺も芝の地に移転された。前近代にあって正当な政権であることを語る大蔵経の施入や徳川家康や秀忠との関係を語る品々は、増上寺への大きな期待を物語っている。
■徳川家と増上寺
徳川家の庇護を受け、増上寺は江戸幕府と関係深い浄土宗の中心的な寺院の立場を確実にした。さまざまな法令や所領はその地位を確実なものとしていた。そして、寺宝となる徳川家にかかわる品々は、同家からの崇敬の表現にもなった。
■霊廟と法会
増上寺は、二代将軍徳川秀忠および正室江をはじめとし、六代家宣・七代家継、九代家重・一二代家慶・一四代家茂ら歴代将軍の墓所とされ、霊廟が建立された。華やかな霊廟は徳川家の権威をも語っていた。幕府は歴代将軍の法会を執りおこない、徳川家の繁栄を誇っていたのだった。昭和二〇年の戦災により惜しくもその大半を焼失したが、現在に伝えられる資料からその威厳が偲ばれる。
■エピローグ
近代となり、徳川家が歴史の主役の座から下りた。しかし増上寺の都市のランドマークという位置に変わりはなかった。東京の名所として、さまざまな絵画に描かれている。雪中の景色が多いのは、あるいは徳川家の時代が終わった哀惜とも関連しているのだろうか。しかし、東京タワーと並んで描写される風景は、今も変わらず都市東京の代表的な景観であろう。
■ ミュージアムトーク
詳細 | ※担当学芸員が解説します。 平成24年4月20日(金)、4月27日(金) 日本橋下集合 (各日とも 16時から30~40分程度。 申込不要) |
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■ えどはくカルチャー
詳細 | ◇増上寺の変遷と江戸・・・4月17日(火) ◇考古学から見た増上寺徳川将軍家霊廟・・・5月8日(火) |
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