
2019.07.16展覧会・常設展
7月展示替情報 東京ゾーン
常設展示室(5階)で展示替を行い、7月9日(火)から新たに資料を展示しています。
主な資料を紹介します。
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(1)「桟留革腰差したばこ入れ」 Tobacco case worn on the waist made of Santome (Saõ Thomé) leather 展示コーナー:T2 開化の背景 庶民の日常コーナー 展示期間:2019年7月9日(火)~10月6日(日) 明治時代
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本資料は、刻みたばこを嗜む男性が着物の帯に差して持ち歩いたたばこ入れです。袋は桟留革、前金具は大黒(銀)、煙管は吸い口が龍、雁首が虎の彫金、煙管筒は紫檀黒漆に龍に乗る人物が象嵌されています。 明治維新による廃刀令の影響から、刀装具の需要を失った金工職人は、たばこ入れの細工に力を注ぐようになりました。また、庶民も身分による服装の制限がなくなったため、大胆な細工のたばこ入れがもてはやされました。明治後期から国産の紙巻きたばこも出回りましたが、刻みたばこの需要は根強く、前者の消費量が後者を上回るのは1923年(大正12)でした。 |
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(2)「東京名所 両国川開き之光景」 Decorative electric illuminations added to the fireworks display at Ryogokubashi Bridge 展示コーナー:T4 市民文化と娯楽 東京文化展望コーナー 展示期間:2019年7月9日(火)~8月4日(日) 1909年(明治42) 黒木半之助/画
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江戸時代、幕府が行ってきた両国の川開き花火は、明治期には、柳橋の料亭に引き継がれて両国橋の川上で開催されました。科学技術の進歩により、江戸時代よりはるかに明るく色鮮やかな花火が夜空を彩り、夜の部の開幕を告げる仕掛け花火も人気の的でした。 中央奥には両国橋が描かれています。1897年(明治30)の川開き花火の際、大勢の見物客が押し寄せて木製の欄干が崩落する事故が起きたことから、1904年(明治37)、鉄橋に架け替えられました。 |
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(3)関東大地震画「熱風の中の親子」 展示コーナー:T5 関東大震災 大震火災コーナー 展示期間:2019年7月9日(火)~8月4日(日) 1923年(昭和12) 井澤蘇水/画
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「関東大地震画」は関東大震災の惨状や関連の人物など、12名の画家により描かれた100点の水彩画集です。本資料は井澤蘇水が出品した10点のうちのひとつで、関東大震災の地震後の火災によって巻き起こった竜巻の中を避難する親子を描いています。トタン板が舞い上がり、母親に背負われた子供はのけぞり、もう一人の子供は母親の腰に抱きついている様子や、ところどころ斜めに入っている朱色の帯から熱風の凄まじさが感じられます。 |