「大東京名物・空気の缶詰」とはどんなもので、いつ頃発売されたのか?(2012年)

2015/06/08

1960年代、東京や大阪などの都市部では、自動車の排気ガスや工場からの排煙による“スモッグ”、大気汚染の問題が深刻化していました。(参考『東京広報』’68増刊号“特集・都市公害”他) 昭和43(1968)年に発売された≪大東京名物 空気の缶詰≫は、そんな都会の汚れた空気を詰め込んで東京名物とする、シャレを効かせた商品であったようです。

 

(回答プロセス)

1)『昭和・平成家庭史年表1926-1995』には、昭和43年(1968)に初登場した商品のひとつとして“東京の空気の缶詰(東京タワーの土産物店から)”と、記されています。

2)「朝日新聞[東京]」昭和43(1968)年9月6日朝刊 には、土産物店で目についたものとして、“サケかんほどの大きさで、1個 百二十円。横腹に「大東京名物、汚れた空気のカン詰め、田舎では得られない珍品」とある。売り出してから一週間ほどになり、買い手はポツポツとか。……浅 草のブロマイド屋さんのアイデアで、ねらいは、世の中に、笑いのタネをまくことだという。”と、写真入りの記事が掲載されています。

3)東京都江戸東京博物館では≪大東京名物 空気の缶詰≫を所蔵しており、収蔵品検索サイト「TOKYO DIGITAL MUSEUM(トーキョーデジタルミュージアム)」で、その写真を見ることができます。収蔵品のデータから、製作元は“MARUBERUDO”(マルベル堂)であることがわかります ≪大東京名物 空気の缶詰≫とは別に、平成2(1990)年頃に富士山で売り出された空気の缶詰がありました。山小屋経営者の発案で、登山道に捨てられた空き缶を洗浄して飲み口をシールでふさぎ、富士山の絵柄のラベルをつけて≪富士山のおいしい空気だよ≫という名称で販売されました。価格は一缶100円。購入した人がすぐにポイ捨てをしないように、ラベルには “80歳になるまで開けてはいけない”とプリントされていたそうです。(参考「読売新聞」平成2(1990)年8月17日朝刊(『月刊百科No.339』に記事の引用あり))

 

(参考文献・ウェブサイト)

1)『昭和・平成家庭史年表 1926-1995』下川耿史編 河出書房新社 1997 (2107 / 371 / 97) p.367

2)「朝日新聞[東京]マイクロフィルム版昭和43年(1968)9月(上)」より、昭和43年9月6日朝刊(FAS / 1 / 729 )

3)TOKYO DIGITAL MUSEUM(トーキョーデジタルミュージアム) http://digitalmuseum.rekibun.or.jp/edohaku/app/collection/list?sk=MARUBERUDO%2F%90%BB%8D%ECwindow open  (最終アクセス日:2013年4月27日)

4)「読売新聞 マイクロフィルム版 平成2年(1990)(中)」より、平成2年8月17日朝刊(FYO / 1 / 1278)『月刊百科 No.339』平凡社 1991 p.43

 

(レファレンス協同データベース版)http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000130958window open