2011.09.23(Fri)〜2011.12.11(Sun)

特展 1F

ヴェネツィア展

ヴェネツィア展

 

美を生んだ、水と生きた、人生を愛した ヴェネツィア人の物語 ――。 世界遺産「ヴェネツィア」の黄金期から爛熟期まで、 至極の芸術作品が前例のない規模で日本上陸。

 

ヴェネツィア共和国はその誕生から約1000年で、建国・絶頂・終焉までの歴史を辿った数奇な運命の都市といえるでしょう。697年に共和国総督(ドージェ)が初選出されて以来、「自由と独立」を貫き、強大な海軍力と交易による富を背景とした水の都は、その美しさから「アドリア海の女王」とたたえられました。そして16世紀ルネサンス期には、今までの富の蓄積の上に文化が爛熟期を迎え、ヨーロッパ中の芸術家のみならず、富裕階級が訪れる観光と歓楽の街となりました。しかし、1797年にナポレオンの侵略により終焉に至ります。 現在でも、かつての栄光の軌跡はサン・マルコ広場やドゥカーレ宮殿など街の至る所に受け継がれています。歴史的な街並みが数多く現存していることは奇跡と言っても過言ではないでしょう。1987年に世界文化遺産に登録された ヴェネツィアは、ますます世界中の人々を魅了し続け、年間2000万人もの観光客が訪れます。 本展では、輝くような色彩と光のニュアンス、そして雅やかな詩情を重視するヴェネツィア派のベッリーニ、カルパッチョ、ティントレット、ティエポロなどの絵画をはじめ、ゴンドラ、ガレー船にイメージされる、ヴェネツィア共和国に富をもたらした「海」、選挙で選出された総督や共和制について、また華麗なる貴族の暮らしなどを余すところなく紹介いたします。約140件に及ぶ作品を通して、ヴェネツィアという都市がいかに文化的な成熟度が高く、栄耀(えいよう)栄華を誇っていたのかを検証いたします。本展を通して、知られざるヴェネツィアの新たな魅力を再発見していただけることでしょう。

東京展開催概要

会期 2011年9月23日(金)~12月11日(日)
会場

江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1)
電話番号:03-3626-9974(代表)

・JR 総武線 両国駅西口、徒歩3分

・都営地下鉄大江戸線「両国駅(江戸東京博物館前)」A4出口、徒歩1分
・都バス:錦 27 ・両 28 ・門 33 ・墨 38 系統「都営両国駅前(江戸東京博物館前)」下車、徒歩3分

開館時間 午前9時30分~午後5時30分
(土曜日は午後7時30分まで。10月28日(金)・29日(土)は午後9時まで)
*入館は閉館の30分前まで
*今後の節電等の状況によって変更する場合がありますので
ご来館の際は江戸東京博物館ホームページ等でご確認ください。
休館日 毎週月曜日休館(ただし10月10日は開館)
主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、東映、TBS
後援 外務省、文化庁、イタリア大使館、BS-TBS、TBSラジオ、読売新聞社、J-WAVE
協賛 大日本印刷、損保ジャパン
協力 ヴェネツィア市立美術館群財団、アリタリアーイタリア航空、日本貨物航空、アルテリア、日本通運、JR東日本
料金
観覧料(税込) 特別展観覧券 特別展・
常設展共通券
特別展前売券
一般 1,400円(1,120円) 1,600円(1,280円) 1,200円
大学生・専門学校生 1,120円(890円) 1,280円(1,020円) 920円
中学生(都外)
高校生・65歳以上
700円(560円) 800円(640円) 500円
小学生・中学生(都内) 700円(560円) なし 500円
サン・マルコのライオン
ピンバッチ付チケット
なし なし 1,300円
ペアチケット
(1枚で2名同時入場)
《二人の貴婦人》
ミニカード2枚付
なし なし 2,000円

 

※中・高・大学・専門学校生の方は学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証・運転免許証など)のご提示をお願いいたします。

 

※( )内は20名以上の団体料金。

 

※共通券は江戸東京博物館のみで販売いたします。

 

※小学生と都内に在住・在学の中学生は、常設展観覧料が無料なので、共通券はありません。

 

※次の場合は観覧料が無料です。
未就学児童。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。(入館の際は障害者手帳等のご提示をお願いします。)

 

【チケット販売所】
江戸東京博物館(ピンバッチ付チケット、ペアチケットの扱いはございません)、オンラインチケット、ローソンチケット(Lコード:39882)、イープラス、チケットぴあ(Pコード:764-720)、ほか主要プレイガイドなどで販売。
※手数料がかかる場合がございます。
※前売券は2011年7月1日(金)から9月22日(木)まで販売。
※会期中は当日券のみ販売。

 

展示資料目録
展示リスト(PDF)

展示構成

 第一章 黄金期 La Serenissima

 ヴェネツィアの独自性は、その立地にあります。陸地ではなく、水上に生まれたこの都市は、ラグーナ(潟)の泥の中に基礎を置き、泥や藁によりこつこつと建築を積み重ね、今もって見ることのできる教会や大きな建築物を残していきました。常に水に囲まれ、不安定な環境にさらされながらも、ラグーナは外敵からの攻撃や侵入に対して、最良の防御設備でもあり、ヴェネツィア人は巨額の資金と莫大な労働力を費やして他には類をみない都市を作り上げました。ここでは、その都市構造から、国家機関、そして海運王国として、経済的にも宗教・文化的にも発展していったヴェネツィアの黄金期を紹介していきます。

 

《ヴェネツィアの眺望》

《ヴェネツィアの眺望》
ヨーゼフ・ハインツ・イル・ジョーヴァネ

1648-50年頃
油彩、カンヴァス 171×269cm
コッレール美術館

《総督ジョヴァンニ・モチェニーゴの肖像》

《総督ジョヴァンニ・モチェニーゴの肖像》
ジェンティーレ・ベッリーニ

1478-79(1481-85?)年 テンペラ、
板62×45cm  コッレール美術館
※東京、名古屋、京都、広島での展示となります。

 

《サン・マルコのライオン》

《サン・マルコのライオン》 ヴィットーレ・カルパッチョ
1516年 油彩、カンヴァス 130×368cm
ドゥカーレ宮殿
※東京、名古屋での展示となります。

 

 第二章 華麗なる貴族 La Vita nel Palazzo

黄金期を迎えたヴェネツィア人の生活、華麗なる日々を紹介いたします。カナル・グランデ(大運河)の両岸に並ぶ豪奢なパラッツォ(邸館)。そこでくりひろげられためくるめく非日常的生活は、ロンギなどの画家によって優雅に描かれています。また織物や香水、履き物、レース編み、とりわけヴェネツィアンガラスは極めて洗練され、輝かしい成功をおさめました。

 

《香水売り》

《香水売り》ピエトロ・ロンギ
1750-52年
油彩、カンヴァス 62×50cm
カ・レッツォーニコ

 

《金箔と可溶性多色エナメルによるスレート模様と花の渦巻き模様で装飾されたクリスタル製水差し》

《金箔と可溶性多色エナメルによるスレート模様と花の渦巻き模様で装飾されたクリスタル製水差し》
ムラーノ島製

15世紀末-16世紀初頭
ガラス 20.9×7.9cm
ガラス博物館

《ゲーム》

《ゲーム》
18世紀 157.5×42.5×5cm
コッレール美術館

 

 第三章 美の殿堂 La Galleria dei Dipinti

ヴェネツィアの建築は、ルネサンスとバロック(16-18世紀)の様式が特徴的ですが、中でも16世紀はヴェネツィアがイタリア美術の黄金時代において成功をおさめた時代です。15世紀末からベッリーニの一族が、そして16世紀にはティツィアーノ、ティントレットなどヴェネツィア派絵画と呼ばれる一群の画家たちが活躍しました。また、軍事上、経済上の傾きをみせはじめながらも、18世紀はヴェネツィアにとっていまだ輝かしい成功の時代であり、絵画、建築、彫刻、音楽、演劇などの文化は舞台の主役であり続けました。この章では、ヴェネツィア派絵画の創始者でもあるベッリーニから、「景観画家」として大成功をおさめたカナレットなどヴェネツィアの誇る絵画芸術の栄華を堪能することができます。

 

《聖母子》

《聖母子》
ジョヴァンニ・ベッリーニ

1470年頃 テンペラ、
カンヴァス 52.5×43.2cm
コッレール美術館
※東京、名古屋、京都、広島での展示となります。

《柱廊のあるカプリッチョ(奇想画)》

《柱廊のあるカプリッチョ(奇想画)》 カナレット
1765年頃 油彩、カンヴァス
128×92cm カ・レッツォーニコ

 

《天国》

《天国》  ティントレット1582年頃 油彩、カンヴァス 154×350cm ヴェネツィア養老院協会

 

東京展 特別出品作品《二人の貴婦人》 ヴィットーレ・カルパッチョ
日本初公開

《二人の貴婦人》

《二人の貴婦人》
ヴィットーレ・カルパッチョ 1490-95年頃 テンペラ・油彩、板 94.5×63.5cm コッレール美術館
(c)ヴェネツィア市立美術館群財団

 

この作品は、ヴェネツィア絵画史の中でもっとも著名な作品のひとつです。19世紀イギリスの批評家ジョン・ラスキンは、本作品を「世界でもっとも美しい板絵」とたたえました。東京展のみの特別出品となる、大変貴重なこの機会をどうぞお見逃しなく。

公式テーマ曲

辻井伸行さん

(C)Yuji Hori

「ヴェネツィアの風に吹かれて」 ピアニスト 辻井伸行 作曲・演奏

 辻井伸行さんは、6月にヴェネツィアを訪問、ゴンドラに乗り、海風を感じ、ヴェネツィアの栄光に思いを馳せることで着想を得てすぐに現地で作曲。帰国後一気に弾き込んで、完成となりました。かねてより、ショパンが作った≪舟歌≫に感銘を受け演奏を重ねてきた彼が、現地で感じ取ったものが、その指先からこぼれだす名曲となりました。辻井さんは1988年生まれの22歳。7歳で全日本盲学生音楽コンクール器楽部門ピアノの部第1位受賞。09年には、第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初の優勝を飾り、その後、国内外でリサイタル・ツアーやオーケストラとの共演を続けています。これまでにも世界中の名所や美術館を訪れ、本物の美に触れてきました。それが、彼の感性をさらに研ぎ澄まし、演奏や曲づくりに生かされています。

音声ガイド

岡江久美子さん

岡江久美子さんが世界遺産「ヴェネツィア展」をナビゲート!

 ガイドのナビゲーターは朝の番組、はなまるマーケット(TBS系)で司会者としても活躍中の女優・岡江久美子さん。美術展が大好きな岡江さんが、主だった作品についてお話しします。 ガイド機は、従来より軽くて簡単な操作のタッチ式です。
音声ガイド貸出料:500円(税込)
所要時間:約30分
公式テーマ曲「ヴェネツィアの風に吹かれて」も収録されています 。

関連事業

①入場者10万人突破記念!先着100名におせんべいプレゼント

10万人突破記念として、11月20日(日)から11月30日(水)まで、毎日先着100名様に「ヴェネツィア展」オリジナルせんべいをプレゼントいたします。

「ヴェネツィア展」オリジナルせんべい

 

②「ヴェネツィア展」記念音楽会 第2回

ヴェネツィアやイタリアに関わる音楽を、チェロとピアノの共演で、お楽しみいただきます。

 

日時 平成23年11月19日(土)午後2時~午後3時(開場午後1時)
会場 江戸東京博物館大ホール
定員: 400名(自由席)
料金 無料
観覧方法 当日、午前9時30分より大ホール前で入場整理券(番号入)を配布します。
定員になり次第締め切りますので、満員の場合はご了承下さい。
出演
チェロ:松岡陽平

チェロ:松岡陽平
(東京都交響楽団)
(C) 堀田力丸

ピアノ:吉田千佳子

ピアノ:吉田千佳子

曲目
  • モンテヴェルディ:歌曲『あの高慢なまなざし』
  • モンテヴェルディ:歌劇「アリアンナ」より『私を死なせて下さい』
  • B. マルチェッロ:「6つのチェロ・ソナタ」より第 4 番 ト短調
  • ヴィヴァルディ:チェロ・ソナタ第 1 番 変ロ長調  RV47
  • ベッリーニ:歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」より『ああ、幾度か』
  • ベッリーニ:歌劇「ノルマ」より『清らかな女神』
  • A. マルチェッロ:オーボエ協奏曲 ニ短調「ベニスの愛」より 第2楽章

 

③「ヴェネツィア展」記念音楽会 第1回

ヴェネツィアやイタリアに関わる音楽を、東京都交響楽団のメンバーによる弦楽四重奏で、お楽しみいただきます。

日時 平成23年10月26日(水)午後2時~午後3時(開場午後1時)
会場 江戸東京博物館大ホール
定員:400名(自由席)
料金 無料
観覧方法 当日、午前9時30分より大ホール前で入場整理券(番号入)を配布します。
定員になり次第締め切りますので、満員の場合はご了承下さい。
出演

東京都交響楽団

ヴァイオリン:篠原智子

ヴァイオリン:
篠原智子

ヴァイオリン:田中雅子

ヴァイオリン:
田中雅子

ヴィオラ:村田恵子

ヴィオラ:
村田恵子

チェロ:森山涼介

チェロ:
森山涼介
全て(C)堀田力丸

曲目
  •  ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲「四季」より
    春~第1楽章、秋~第3楽章、冬~第2楽章
    弦楽四重奏で聴くオペラのアリア
  •  ヘンデル 歌劇「リナルド」より『私を泣かせて下さい』
  •  ヴェルディ 歌劇「椿姫」より『乾杯の歌』
  •  プッチーニ 歌劇「トゥーランドット」より『誰も寝てはならぬ』
  •  モーツァルト ディヴェルテイメント第1番 二長調K.136
  •  ロッシーニ 弦楽のためのソナタ第5番より第1楽章

 

④えどはくカルチャー「ヴェネツィア展」関連講座

特別展「世界遺産 ヴェネツィア展 魅惑の芸術 – 千年の都」 ◇ヴェネツィア―都市と芸術

日時 10月6日(木) 14:00 ~ 15:30
講師 京谷啓徳(九州大学准教授)
開場 江戸東京博物館 1階会議室

 

⑤トークイベント

息子・辻井伸行が本展公式テーマを作曲するにあたり、初めて一緒に訪れたヴェネツィアの魅力を語ります。

辻井いつ子さん

撮影:塔下智士

 

出演 辻井いつ子(フリーアナウンサー・エッセイスト)
日時 10月11日(火) 14:00 ~ 15:30
会場 江戸東京博物館大ホール
定員 400 名(自由席)
聴講料 1,000 円(税込)
前売券発売箇所 ヴェネツィア展公式オンラインチケット、イープラス、チケットぴあ(Pコード:763-099)、ローソンチケット(Lコード:34609)にて9月10 日(土)10:00 ~ 10月10 日(月・祝) 23:59 まで発売。
*手数料がかかる場合がございます。
*当日券を販売する場合は、10月 11日(火)13:00 から江戸東京博物館大ホール入口にて販売。なくなり次第終了。

 

⑥特別先行上映会

ルキーノ・ヴィスコンティ監督「ベニスに死す」(35mm、カラー、 131分)

水の都ヴェネツィアで、至高の美少年に魅せられた芸術家の苦悩と恍惚を描く名画。 待望のニュープリント版「ベニスに死す」を公開直前に特別にご覧いただける機会です。

ベニスに死す

(C)1971 Alfa Cinematografica S.r.l. Renewed 1999 Warner Bros., a division of Time Warner Entertainment Company, L.P. All Rights Reserved.

 

日時 9月23日(金・祝) 14:00 ~ 16:15
会場 江戸東京博物館大ホール
定員 400名(自由席)
鑑賞券: 1,000 円(税込)
前売券販売箇所 ヴェネツィア展公式オンラインチケット、イープラス、チケットぴあ(Pコード:763-100) 、ローソンチケット(Lコード:34608) にて 9月10日(土)10:00 ~ 9月22日(木)17:00 まで販売。
*手数料がかかる場合がございます。

*当日券を販売する場合は、 9月23日(金・祝)12:00 から江戸東京博物館大ホール入口にて販売。なくなり次第終了。

 

■関連事業の注意事項

・節電対策等により実施に変更が生じる可能性があります。
・出演者の病気その他やむをえない事情により、延期または中止することがあります。
・運営に支障をきたすと判断した場合は、お客様の入場を制限させていただくことがあります。
・会場での飲食はご遠慮ください。

取材の方へ

プレスリリース、写真のご用命は特別展「ヴェネツィア展」広報事務局までお願いいたします。
電話:03-6312-4098

巡回スケジュール

■愛知(AICHI)
【開催期間】2011年12月22日(木)~2012年3月4日(日)
【会場】名古屋市博物館(愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1) 電話番号:052-853-2655
http://www.museum.city.nagoya.jp

 

■宮城(MIYAGI)
【開催期間】2012年3月17日(土)~5月13日(日)
【会場】宮城県美術館(宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1) 電話番号:022-221-2111
http://www.pref.miyagi.jp/bijyutu/museum/

 

■愛媛(EHIME)
【開催期間】2012年5月26日(土)~7月16日(月・祝)
【会場】愛媛県美術館(愛媛県松山市堀之内) 電話番号:089-932-0010
http://www.ehime-art.jp/

 

■京都(KYOTO)
【開催期間】2012年7月28日(土)~9月23日(日)
【会場】京都文化博物館(京都府京都市中央区三条高倉) 電話番号:075-222-0888
http://www.bunpaku.or.jp

 

■広島(HIROSHIMA)
【開催期間】2012年10月6日(土)~11月25日(日)
【会場】広島県立美術館(広島県広島市中区上幟町2-22) 電話番号:082-221-6246
http://www1.hpam-unet.ocn.ne.jp/