徳川家康の銅像は都内に何体あるか。(2005年)

2015/06/08

 都内にある歴史上の人物の銅像については【資料1】『東京江戸案内 巻の4 相撲と銅像編』で調べることができますが、これには家康の銅像が載っていません。この本が書かれた時には都内に家康の銅像は無かったと思われます。社団法人江戸消防記念会(備考※1)から当館に徳川家康像(備考※2)が寄贈されたのは1994年4月25日。現在(2014年10月)都内にあるのはこの一体だけと言うことになります。製作者は山下恒雄氏、像の高さは3.7メートル(台座からの高さ7.76メートル)、重量30トン。
 台座の亀について正式な説明書きはありませんが、水の都としての江戸を表現しているとも言われています。もっとも、昔から亀を土台にする像は多く見られます。【資料2】『世界大博物図鑑 第3巻 両生・爬虫類』によると、この亀の形をした動物を贔屓(ひいき)と言い、元々川の神の名であって、亀の形をとってこの世に現れると言われています。この幻獣は石碑にかたどられ、「不動」の象徴とされているのです。
 話を過去の家康像に戻すと、過去に家康像が全くなかった訳ではなく、【資料3】『都史紀要39 レファレンスの杜』によると、かつて東京市役所正面玄関前に渡辺長男作の徳川家康像(大正9年7月建設)がありましたが、昭和18年3月に太平洋戦争のために供出され、戻ることはありませんでした。この像の写真は【資料4】『帝国銅像鑑 上巻』に見ることができます
 なお、都内以外では愛知県と静岡県(備考※3~5)にも家康像があります。

 

(参考資料)

【資料1】『東京江戸案内 巻の4 相撲と銅像編』(桜井正信編 八坂書房 2004年 2913/724/004)

【資料2】『世界大博物図鑑 第3巻 両生・爬虫類』(荒俣宏著 平凡社 1990年 4803/2/3)

【資料3】『都史紀要39 レファレンスの杜』(東京都公文書館 2003年 36/2136/5-39 p.210)

【資料4】『帝国銅像鑑 上巻』(栗田淸美著 大日本帝國史蹟研究會出版部 1935年 7117/3/1 p.119)

【資料5】『ふるさとのこころ 銅像』(稲本博企画・編集 サジフミオ写真 日本報道記者会 1991年 7150/L1/91-S00)

 

(備考)

※1 社団法人江戸消防記念会  http://www.edosyoubou.jp/window open  (2014/4/1確認)

※2 歴史群像 学研デジタル歴史館  http://rekigun.net/original/travel/statue/statue-16.html#ieyasuwindow open  (2014/10/28確認)

※3 岡崎公園  http://okazakipark.com/window open   (2014/10/28確認)

※4 駿府城跡 http://www.shizuoka-bunkazai.jp/tokugawa/window open  (2014/10/28確認)

※5 静岡駅北口駅前広場(静岡市役所  http://www.city.shizuoka.jp/http://www.city.shizuoka.jp/000_004769.htmlwindow open   (2014/10/28確認)

 

  (レファレンス協同データベース版)http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000021425window open