2008.04.15(Tue)〜2008.07.06(Sun)

企划展 5F

熱き心展~寛斎元気主義~

熱き心展~寛斎元気主義~

 

江戸東京博物館開館15周年の企画として、日本の歴史に培われた文化を次の世代に継承するという共通の使命をもつ当館とデザイナー/プロデューサー山本寛斎は、共同で企画展「熱き心展~寛斎元気主義~」を開催する運びとなりました。 本展は、日本の伝統文化を見つめ、日本人が培ってきた美学を探求し、世界の舞台で表現してきた山本寛斎の作品を通して、次世代へ日本文化の伝統や日本人の美意識を改めて問いかけ、伝えようとするものです。

開催概要

会期 2008年4月15日(火)~7月6日(日) ※3月27日(木)6階展示室 先行開催
会場 6階常設展示室、5階第二企画展示室
休館日 毎週月曜日(ただし5月5,12,19日は開館)、5月7日(水)
開館時間 午前9時30分~午後5時30分(土曜は午後7時30分まで開館) 入館は閉館の30分前まで。
観覧料金 常設展観覧料でご覧になれます。
主催 東京都江戸東京博物館、株式会社山本寛斎事務所
株式会社寛斎スーパースタジオ
後援 読売新聞社

展示構成

 1.【6階展示室】熱き心、世界へ

「日本の美しいものをもう一度見直す・・・それが世界でも通用することを証明したかった。」

日本人として初めてロンドンでファッションショーを開催し、大成功を収めた直後の山本寛斎の言葉です。

山本寛斎のファッションの原点、それは安土・桃山時代に遡る絢爛豪華な美の世界です。 あふれるほどにエネルギーを放つ婆娑羅の世界をこよなく愛する山本寛斎。 1970年代当時、世界中の若者が憧れるファッションの最先端の地であったイギリス・ロンドンにおいて、日本人として初めてファッションショーを開催しました。 ショーの中では歌舞伎の舞台や衣装にヒントを得た演出、作品を披露し、大喝采を浴びたのです。 その後、山本寛斎は瞬く間に日本が世界に誇るファッションデザイナーのひとりとして活躍を続けます。
6階展示室(一部)では、世界デビューした1971年から1980年代後半まで、日本が世界に誇るべき美学を伝えるべく、 魂をかけて表現してきた彼の代表作品を世界各地から収集、展示します。

 

主な展示作品

(1)KANSAI IN LONDON ドレス 1点
(1971年/イギリス ヴィクトリア&アルバート美術館所蔵)

「べっかこう」という凧の図案を図案にあしらったドレス。1971年、日本人として初めてロンドンでファッションショーを行った際に発表され話題をさらった。

(2)デヴィット・ボウイ ステージ衣装 3点(1973年/デヴィッド・ボウイ所蔵)
1973年、アメリカ進出をかけてニューヨークでコンサートを開催したデヴィッド・ボウイ直々の依頼によりワールドツアーのための衣装を手掛けた山本寛斎。 普段はアメリカ・ロックの殿堂に展示されている作品が25年振りに里帰りします。

(3)ドレス 山口小夜子さん着用 1点 (1983年パリ・コレクション出品/個人蔵)

(4)ジャケット 山本寛斎着用 1点(1990-91年秋冬パリ・コレクション出品/山本寛斎蔵)
1990-91年秋冬として、パリコレクションで発表されたジャケット。背中には、ロシアのイコン図案が、和刺繍でほどこされている。

 

山本寛斎 (1970年) (C)山本寛斎事務所

山本寛斎(1970年)(C)山本寛斎事務所

デビッド・ボウイ ステージ衣装 Kabuki(1973年) 所蔵/デビッド・ボウイ  1973年初のワールドツアーのため、デビッド・ボウイ 本人から 直々の依頼を受け、制作された衣裳。  (C)MASAYOSHI SUKITA

デビッド・ボウイ ステージ衣装
Kabuki(1973年)
所蔵/デビッド・ボウイ

1973年初のワールドツアーのため、デビッド・ボウイ 本人から直々の依頼を受け、制作された衣裳。
(C)MASAYOSHI SUKITA

 

 

 2.【5階第二企画展示室】山本寛斎の世界~燃える魂、日本の祭り~

祭りの時、日本の女たちは艶めいた輝きと、美しさを見せる。そして、男たちは勇ましい姿と荒ぶる熱を発散する。 そこには、誇るべき日本の美しさと、人間が輝く瞬間がある、と山本寛斎は信じています。
マグマのように迸る人間の熱き心=祭りを、KANSAI SUPER SHOW「ハロー!ロシア」(1993ロシア モスクワ・赤の広場)、「アボルダージュ~接舷攻撃~」(2004日本武道館)、「太陽の船」(2007東京ドーム)のために制作された華麗な衣装の数々と映像で表現。山本寛斎の世界~燃える魂、日本の祭り~をご堪能下さい。

 

主な展示作品

(1)「ハロー!ロシア」衣装(1993年)
背負子(しょいこ)からインスパイアされた衣装。 日本海沿岸に伝わる古くなった着物を裂いて使うリサイクル技術・裂織(さきおり)でシルクの糸と布を編みこんだジャケットに仕立てた。

 

(2)「アボルダージュ」衣装 着物 9点(2004年)

山本寛斎が着目したのは天然素材で染めた昭和初期のアンティーク着物でした。 背丈、手足が長くなった現代女性の体型に合わせるため、日本各地から収集してきた数十着の着物を全てほどき、 洗い直したもの2~3着を組み合わせて1着に仕立て直した寛斎流究極のリサイクル着物。

 

(3)「アボルダージュ」衣装・浴衣 3点(2004年)

愛知県名古屋市有松に伝わる伝統の絞り染め。
その歴史は、徳川家康が江戸に幕府を開いてまもない慶長13年(1608年)まで遡ります。 尾張藩が有松絞りを藩の特産品として保護し、竹田庄九郎を御用商人に取り立てて以来、400年の歴史を誇る有松絞りの様々な伝統技法を浴衣にあしらい衣装として採用。

 

(4)「太陽の船」衣装・祭り装束 6点(2007年)

江戸時代の終わりに房総半島で生まれた万祝い(まいわい)。
大漁時に船主や網主から関係者に配られた祝い着で、一同が揃いで着て神社仏閣に参拝した。 明治・大正時代をピークに昭和40年代頃まで作られていたこの万祝いと江戸時代に生まれた筒描染め古布を仕立て直した山本寛斎オリジナルの祭り装束。

 

(5)「太陽の船」衣装・半纏 3点(2007年)

漁船の大量旗を綿入れ半纏に仕立て直し、モトクロスのライダースーツとコーディネイト。

 

2007年「太陽の船」祭り半纏(2007) 所蔵/山本寛斎事務所  漁船の大量旗を綿入れ半纏に仕立て直し、モトクロスのライダースーツと寛斎流にコーディネイト。 (C)KOICHI INAKOSHI

2007年「太陽の船」祭り半纏(2007)
所蔵/山本寛斎事務所

漁船の大量旗を綿入れ半纏に仕立て直し、モトクロスのライダースーツと寛斎流にコーディネイト。
(C)KOICHI INAKOSHI

 

備考

(1)SUPER SHOW(スーパーショー)

ラスベガスの豪華華麗なショー、オリンピックの開会式、絢爛たるファッションショー、アクロバット、ダンス、 音楽・・・あらゆるステージパフォーマンスを山本寛斎が「美」への限りなき探究心で結実させたオリジナルのショー。

 

(2)HELLO! RUSSIA(ハロー!ロシア/1993年6月・モスクワ赤の広場)

外国人として初めてロシア史上初めてモスクワ赤の広場を借りるという快挙を成し遂げ、開催したスーパーショー。 12万人を動員し、当時の新聞に「第二次世界大戦以来、最大のショー」という見出しで掲載された。

 

(3)アボルダージュ~接舷攻撃(2004年7月・武道館)

新選組・土方歳三の命を賭して信念を貫いた生きざまを山本寛斎本人の人生と重ね、スーパーショーとして結実させた構想30年のステージ。

 

(4)太陽の船(2007年1月・東京ドーム)

夢を追い求め、彷徨する青年の旅を東京ドームの巨大空間いっぱいに圧倒的なスケールで描いたスーパーショー。

関連事業

「熱き心展~寛斎元気主義~」開催記念
【山本寛斎スペシャルトークライブ】 トークと映像で迫る60分

 

日時

第1回 / 5月3日(土)午後2時~
竹内誠(江戸東京博物館館長)との特別対談あり

終了しました

第2回 / 6月8日(日)午後2時~

終了しました

観覧料金 無料
会場 江戸東京博物館1階会議室
応募方法 往復ハガキに希望日と氏名、住所、電話番号、年齢、人数(1枚の往復ハガキで1講演・2名まで)をご記入の上、下記まで。
希望者多数の場合は抽選。
応募締切は 第1回=4月25日(金)、第2回=5月26日(月)、消印有効。
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1 江戸東京博物館「熱き心展」担当

関連展示

1. 一部先行開催 寛斎作品展

(会場 : 常設展示室6階正面)

 

2. 関連展示「江戸の華~熱き心・火消と祭り~」

(会場 : 常設展示室6階)

会期 平成20年3月27日(木)~7月6日(日)
休館日 毎週月曜日(ただし5月5、12、19日は開館)、5月7日(水)
開館時間 午前9時30分~午後5時30分(土曜は午後7時30分まで開館)
入館は閉館の30分前まで。
観覧料金 常設展観覧料でご覧になれます。